大間々
2011.10.

畑から見える山の上に噴煙のような雲がたなびいています。コオロギが一匹、鳴いています。静かです。

雲の端が稲妻のようにギザギザに輝いています。空気は澄んで爽やかです。

雲が群れてじっとしています。山腹に雲の影がまだらに映っています。

いろんな鳥の声も聞こえてきます。カラス、スズメ、ヒヨドリ、キジ‥。ときどきは鹿が鳴きます。

青空にトンビがゆうゆうと浮かんでいます。いいなあ~。

畑の白菜が健康に育っています。バッタが二匹、イナゴとツユムシ‥何をしているのでしょうか。

食事中でしたか。これは失礼。

柿の実が赤く色づいて枝にぶら下がっています。渋柿でしょうね。下にはサワガニの住む小さな沢があります。風が吹き抜けると、木々がサワサワ騒ぎます。

道端のアザミにテングチョウがとまっています。花の蜜をいっぱい吸って越冬の準備をしているのです。

クヌギやコナラの雑木林を歩いていると、葉っぱが二枚、ひらひらと舞いおりてきました。

一句。
明日の夜も
あなたとならば どこまでも
舞い落つ木の葉を
追う木の葉
なんてね。

美しい日没です。みるみる落ちていきます。つるべ落としです。

日が沈んでしまっても、まだしばらくは光彩を楽しめます。こんな絵はどんな天才画家でも描けません。もしかすると神様もね。自然はこんな景色を何事も無かったかのように、いとも簡単に表現します。大したものです。

夜になると、町に明りが広がります。あんまり美しいとは思えません。そこに住む人たちは満天の星を見ることができないのです。もちろん流れ星もね。
2011.12.

霧です。麓の家々は霧につつまれ、まさに、
太乙近天都 連山到海隅
白雲回望合 青靄入看無
分野中峰變 陰晴衆壑殊
欲投何處宿 隔水問樵夫 (王維)
と、山水画のような景色に感動があります。

孟宗の竹林は、こうべを垂れた賢者たちが酒と筆を手に、ゆらゆらと身を揺らしながら散策している風情があります。

しっとりと濡れて鮮やかな紅葉です。自然のままに野にある姿が優美です。
野のモミジ あるがままよと 赤き赤き。

畑のブロッコリーが煌めく水玉をまとい、幸せそうです。

山小屋にも静かに霧は忍び寄っています。新鮮なオゾンが身体にしみこみ、光は青く、惑い、 幻想的です。

灯をともし、薪で暖をとり、収穫したピーナッツと塩漬けのハクサイをほおばり、里山人にイノシシやスズメバチやミツバチやの自然の話を聴きます。シカ、クマ、ノネズミ、タマムシなど枚挙にいとまはありません。

朝、昨日の霧と雨と風が嘘のよう。大地は明るい大量の雑木の落ち葉を羽織り、すっかり冬支度です。

虫たちもそこにもぐりこめば、さぞかし温かいことでしょう。天然の温床なのです。

畑から見える山の上の雲は、まだ開演の準備中です。畑の隅っこに座り、鳥の鳴き声を録音しながら、色づいた山々をのんびりと描きたいところですが、そうもいかず、写真にします。

写真を撮るとスケッチした気分になってしまうのですが、やむをえませんね。

光彩。

イヌノフグリでしょうか?オオイヌノフグリでしょうか?どちらでもいいのですが、星のように青く咲いて輝いています。

小麦の苗が植えられたばかりです。その成長が楽しみです。次に来るのは来年の春になるかしら?ありがとぉ~。ではまたぁ~。
2012.09

赤城山です。「赤城の山とも今宵限りぃ~俺にゃあ生涯ぇ~テメエという~杖ぇ~味方が‥」と、つい口に出してしまったりします。

見上げると、広く青い空の大きな白い雲に、小さな黒い塵が動いています。

トンボ!‥アキアカネ。やっぱり山はもう秋なんだなあ~。

青い空、白い雲、緑の木々。こんな何のとりえもない普通の景色はいいなあ~、好きだなあ~と思うのです。

ススキ。もうすっかり山は秋なんだなあ~。 まだ夏ではないんですか? ちょっと歩いただけなのに汗だくなんです。

遠くに見える山の名は何でしょうか?わかりません。 名だたる山に違いないです。

杉林 天高くして 雲薄く ‥イマイチ

鬱蒼とした杉林。太さが不揃いですから手入れ不足なんでしょうね。間引きするのも大仕事でしょうからと、林業について考えたりします。

ホトトギスです。ここいら辺のは白っぽい花なんですね。つい、お家に連れて帰りたい気になったりします。そうはしませんでしたが。

道沿いにツユクサがいっぱい並んで咲いています。この花の青色が私は好きです。

アザミの根は食べられるって聞きますが、このアザミの根なのでしょうか?ゴボウの花によく似ています。アザミはキク科です。ならばゴボウもキク科なんでしょうね。

サルトリイバラが垂れさがっています。この草はルリタテハの食草なんだがなあ~と、見れば‥‥んん!? 毛虫が葉っぱをかじっているような。

わあー!ルリタテハの幼虫でぇ~す!野生の姿を見れるなんて、なんてラッキー!

虫喰いだらけのカナムグラとクズの葉。ちょっと汚らしいけど、これもまた嬉しい自然なんだなあ。

麓の畑までの道すがら、ガードレールの向こう側、急こう配ののり面には、あちこちに多量の粗大ゴミが投棄され、ためいきが出るばかり。されど、そこを覆いつくす思わぬ美しい景色が広がっています。見慣れぬ、いや、見たことのない桃色の花の群れ。

シュウカイドウです‥ベゴニア‥帰化植物‥中国原産。その群落。感動をそのまま写真にしたかったのですが、足場が悪く思うように撮れません。まあいいか。まあいいさ。ああ!どなたかが投棄した、美しきゴミたち。これもまた自然なんだなあ。

道の所々、土手がくずれて裸になっている。赤茶けた土に礫が混ざっている。そうか、ここら一帯は浅間山の噴火の時にできた地層なんですね。

まだとても暑い秋の日の真っ昼間、畑仕事を終えた二人の女性の会話が聞こえます。一人が「汗びっちり!」って言うと、もう一人が「汗びっしょり!」でしょ!って、「でも、汗びっしょり、より、汗びっちり、の方がリアルだね」って、大笑いです。羨ましくありました。

去年の12月初旬、真っ赤だったモミジです。青々と生き生きとしています。

孟宗竹たちは竹林の賢者、あいかわらずゆらゆらと動めいています。

インゲン?のための棚がきっちりときれいに作ってあります。こんな構図の雲の絵を描いて襖か屏風にしてみたいです。

雲が湧いて出てきました。

低く重い雲です。

雨が降るのでしょう。お家に早く帰りましょう!
ではまた。